報道番組というのがどんな番組を指しているか、見ている側からはそこがもう分からないのです。文字通りの意味だとすると、事実を知らせて、我々見た人間に行くべき道を指し示す番組と言う事になるのでしょうが、そんな番組がここ最近あったでしょうか。私にはとんと思いつかないのです。ワイドショー的な情報番組との違いも分からないですし、テレビの報道番組など、どの局どの番組もほとんど同じ内容、ほとんど同じ感想、ほとんど同じ意見で塗り固められているではありませんか。これは、どうした訳なのでしょうか。確かに多少の違いはあるのでしょう、出ている人間が違いますから、表現も違えば、印象が異なる場合があるかもしれません。
しかし、その番組ならでは、そこに登場する記者ならではの事実の掘り下げや提示される視点といったものがあるでしょうか。記者クラブ制度におんぶに抱っこで、政府発表を鵜呑み、警察発表を鵜呑み、外国政府の発言を鵜呑みと言うのが現実でしょう。それをちょっとばかり味付けし、正義ぶってこぶしの一つも振り上げれば、一丁上がりと言うような番組に、どんな説得力があると言うのでしょう。報道番組では中立な物の味方を心がけているので、似たような考えになることも多いのだろうなどという言い訳で逃げようというなら、それは違うと申しておきましょう。人でも組織でも、いろいろな考え方があります。一つの事実でも、異なる側面から見れば違った物になるのです。
その立場や考え方などで、そこから引き出される結論も異なってくるわけで、そのことは、どちらかが正しくて、どちらかが間違っているなどという事とは違うはずです。そういう意味で世の中に真に中立などと言うのはないのです。どんな意見でも、バイアスはかかっていますし、偏見はあるのです。問題はバイアスがかかっている事ではなく、どんなバイアスがかかっているのか、どんな立場での考え方なのかがはっきり提示されない事なのです。そこさえ分かれば、報道番組で扱われる内容を、我々はもっと生かせると思うのです。